チョコは誰の手に【短編】



「そか…。そっちの田中か。」


聞こえるか、聞こえないか位の小さな声で、淳司が呟いた。

「待ってな?」


そう言った淳司が、携帯を取り出して、何処かにかけ始めた。


「あ、俺。…そう。今、お前暇人?
…マヂ?じゃあ、今から行くから。」


プチッ



「未知留、行くぞ」

そう言って、歩き出した。


「えっ、ちょっと何処行く気?」


いまいち、状況が把握出来てない私は、とりあえず、淳司について行った。