「お嬢ちゃん、何歳?」
突然アツシがあたしの頭をガシッと掴んだ。あまりに突然のことであたしもみんなもぽかーんとしていた。
「中学生?」
アツシはお構い無しにあたしの頭をぐりぐりと回しながら続けた。
“中学生”にエミナと大哉が笑い出した。初対面の人には決まって言われる。
「りんは同じ年だよ~」
エミナが言うと、
「えっ、同じ年なの?」
和希まで驚いた顔をする。
「マジ!?」
アツシもびっくりした顔であたしを覗き込んだ。
そんな二人を見て、エミナはおなかをかかえて笑っている。
「も~。エミナ笑いすぎだよ!大哉も!」
あたしは顔が赤くなるのを感じた。
「年食って見えるより、全然いいじゃん」
アツシはあたしの頭をぽんぽんと叩きながら笑って言った。
「アツシ、りんにあまり絡まないでよ~」
エミナはニヤニヤしながらそう言うと、「さっ、入ろう入ろう」と家に入っていった。