1時間ほどして目を覚ましたアツシが、仕事があるから近くの駅で下ろしてほしいと言い出した。
「日曜日なのに仕事!?せっかくみんなで集まったのに?」
エミナがアツシに文句を言う。
「りんも言って!寝かせてもらってないのにさ!」
「あ、うん。えっと…」
あたしは寝不足でぼんやりする頭で考えた。
「また電話するな」
アツシはそう言ってあたしの頭をくしゃくしゃとなでた。ずるい。何も言えなくなるじゃん。
あたしは小さくなって窓の隅からアツシの背中を見つめていた。