ラバーズキス

「アツシも」
「俺、ここにいるから」
「あたし着替えれないじゃん」
「広いんだし、どこででも着替えれるだろ」
アツシはしれっと言う。仕方なくあたしはお風呂場で着替えることにした。慌ててメイクをしていると、
「りん」とアツシに呼ばれた。あたしはドアを開けて顔を出すとフラッシュが光った。
「寝起きの顔撮った」
アツシはニヤニヤしながら言った。
「もぉ!まだメイク途中だし」
「化粧なんかしなくていい。十分かわいいから」
「うん、りんはメイクしなくてもかわいいよ!」
アツシのことばにエミナは大きくうなずいた。あたしはメイクを途中でやめて、荷物を片付けることにした。


ロビーで和希と大哉と合流して、車に乗り込む。
「俺、後ろに乗る。お前はここな」
そう言うとアツシはさっさと座った。あたしは仕方なくアツシに言われたように、アツシの隣に座った。
「じゃあ、俺、前に座るわ」
大哉が助手席に座り、エミナがあたしの隣に座った。
「俺、寝るわ。きのう寝てないから」
そう言うとアツシはあたしの膝に頭をのせた。
「ちょっと!なにしてるのよ」
「俺は眠いの」
アツシはあたしの言うことは全く聞いていないように、すぐに寝息をたてた。
「ありゃぁ~。寝ちゃったね」
エミナが覗き込む。