ラバーズキス

ドアが開いて遠くで話し声が聞こえた気がした。でも、あたしは重い瞼を開けることができなかった。
すると、ふとんの上から誰かに抱き締められて目を開けた。アツシだった。
「いつまで寝てんだよ」
「ちょっ…ちょっと!なにしてんのよ!」
あたしは慌ててアツシを突き飛ばしてベッドから飛び降りた。
「りんちゃん、きのうもアツシに寝かせてもらってないのにね」
和希が笑う。
「そーだよ!私のりんを振り回さないでよね~」
エミナがアツシの頭を叩く。
「いいんだよ、りんは。俺のだから」
「変なこと言わないでよ!」
あたしは顔が赤くなるのがわかった。
「えっ、そういうことになっちゃった?」
あとから入ってきた大哉がびっくりしている。
「そーいうこと」
「ちがう!ちがう!」
「てか、りん、着替えなきゃ」
よく見るとみんな支度ができているのに、あたしだけが寝起きだった。
「さぁさぁ。着替えるから出ていってね~」
エミナが言うと大哉と和希はロビーにいるからと言って部屋を出た。