ラバーズキス

そのままあたし達はいつものように他愛のない話をしていた。いつもと違ったのは、手を繋いでいることと、キスをすること。

空が明るくなってきた頃、ドアがノックされた。
アツシがあたしの手を引きながらドアまで行く。
「誰?」
「エミナ。りんいる?」
「いるよ!」
あたしがドアを開けようと手を伸ばすと、アツシに邪魔をされ、もう一度キスをした。
アツシがドアを開けて「和希が寝てるから」と言って、あたしを部屋から出した。


あたしとエミナは自分達の部屋へ戻った。
「びっくりしたよ~!目が覚めたらりんはいないし、部屋の鍵は置いたままだし。携帯鳴らしてもでないしさぁ」
「ゴメンね、1人にしちゃって…」
あたしはエミナに話そうかどうしようか迷っていた。今まで隠し事をしたことがなかったのに、今回は素直に話せる気がしなかった。だってきっと「やめときな」って言われるから。「彼女いるんだよ」って言われるから。わかっていても、今でも好きだった。
「アツシのことだから、無理矢理付き合わされてたんでしょ~。ちょっとでも眠る?」
エミナも聞かなかった。あたしはベッドに潜り込んで目をつぶった。