大哉の家に着くと、バイクが二台停まっていた。
「おせーよ」
サングラスをかけてタバコをくわえている一人が言った。
「僕らもさっき来たとこだから気にしないで」
もう一人が大哉に声をかける。
「和希くん、久しぶりだね~バイク買ったの?」
エミナがバイクに駆け寄る。バイクに乗る大哉の影響でエミナもバイクに詳しかった。そのエミナの影響で、あたしもバイクが好きだった。
「あいつは和希(カズキ)。バイトで知り合ったんだ」
大哉が紹介してくれた。
「初めまして。えーっと…」
「りんです。はじめまして」
「りんちゃん、ね。よろしくね」
「で、あっちがアツシ」
大哉は家のドアを開けながら言った。
「あっちってなんだよ」
アツシはタバコを消しながらサングラスを取った。ぶっきらぼうな言葉遣いだけど、目は笑っていた。