ラバーズキス

もう、心臓がバクバクしていて倒れそう。
「この指輪、誰に貰った?」
アツシはあたしの指を触りながら聞いた。
「?自分で買ったよ」
「本当か?男からもらったんじゃないだろうな」
なんでこんなことで凄まれてるんだろ、あたし。
そう言うアツシだって、何気に指輪とかしてんじゃん。あたしはその指輪を見たくなくて、目をそらした。
「こっち見てろ」
アツシはあたしの首に腕をまわして引き寄せまたキスをした。
「…彼女に悪い」
あたしはそう言ってアツシを離した。泣きそうだった。
「悪くない」
アツシはそれだけ言うと、ぎゅっと抱き締めてくれた。アツシの匂いがする。暖かい。
「悪くなんかない。キスしたかったから、した」
アツシはあたしを抱き締めたまま続けた。
「彼女の写メ、エミナや大哉には見せるつもりだったんだよ。でも、お前にだけは見られたくなかった」
「なんで?」
「なんでだろうな…」
アツシはそう言って腕をほどき、あたしの髪を触り始めた。
「俺、パーマ好きじゃないからパーマかけるなよ」
彼女はかけてるじゃん。
「ピアスも嫌いだから開けるなよ」
彼女は開けてたじゃん。
「りんはこのままでいろよ」
このままでいたら、どうなるの?