ラバーズキス

18歳だから本当は飲んじゃいけないけど、みんなで乾杯をした。和希は全然飲めないらしく、コーラを飲んでいた。
「りん、飲めるようになったんだね~」
エミナが驚くのも無理はなかった。缶のチューハイを半分くらい飲むのが精一杯だったあたしが、3杯目を注文していた。
「お前、ちょっと早すぎ。も少しゆっくり飲め」
向かいに座っているアツシが言った。そう言うアツシは何杯飲んだのかわからない。
「食いながら飲め。悪酔いするぞ」
と言うと、アツシはあたしのデジカメに手を伸ばしてあちこち撮し始めた。
「あーあ、アツシ酔ってるよ」
大哉は呆れたように言った。アツシはデジカメを持ったまま個室を出て行ってしまった。慌てて和希があとをおう。
「いいコンビだよね、あの2人」
エミナが言った。
「うん、あたしも思う」
見ていて羨ましいくらい、合ってる2人だった。真面目でさわやかな“青年”って感じの和希と、やんちゃで無鉄砲な“悪ガキ”なアツシ。出会うことのなさそうなくらい正反対な2人だからこそ、ぴったり合うのかもしれない。