翌朝、目が覚めた松浦のもとに、さくらと桃香が見舞いに来た

さくらは松浦を見るなり、おお泣きをして、その場に崩れ落ちていた

おお泣きするさくらに、松浦は苦笑して困った顔をしていた

俺と桃香は、一足先に病室を後にした

静かに扉を閉じると、廊下で桃香の肩を抱いた

「勇人さん、無事で良かったです」

桃香が、にこっと微笑んだ

「もっと暴れたかったんだが…藤城さんに止められたよ」

「止めてもらって良かった」

桃香がほっと安心したように、胸をなでおろしている

「なんで?」

「だって、勇人さんって怒ると怖いから」

「あ?」

誰だって、怒れば怖いだろ

俺に限った話じゃねえよな?

松浦だって、怒れば怖いだろ…たぶんだが…

「勇人さんって、すぐに熱くなって周りが見えなくなるから。怪我するってわかってても、突っ込んでいくでしょ?」

「あ? あ、ああ…まあ、な」

俺は頬を掻くと、天井を見上げた

怪我するってわかってて突っ込むっつうか…怪我するとか痛い思いをするとかっていう思考能力がぶっとむんだよな

相手を叩きのめすことしか…もう頭にねえっつうか