【短】ハッピーバレンタイン





「よかったぁ。なぎさちゃん、落ち込んでたから。ちょっと素直じゃないところあるし、勘違いされやすいから…」



ちょっと…?



引っかかることがあるけど、話しを遮ることもできず、うんうんとうなずき続けた



慣れれば大丈夫なのか、吉野さんはよく話し、よく笑う



春川さんの話がつづき、よくわからないまま日が暮れかけていた



「…ということなの。なぎさちゃんはとっても優しくていい子だよ。分かりにくいけど」



春川さんがいい子なのはわかったよ



そろそろお腹が減ったし、帰りたい



「吉野さん…そろそろ」



「あっそうだよね。ごめんなさい、遅くなっちゃって」



「ううん」



だから帰ろう



「早くなぎさちゃんちに行こっ」



「えっ!?」



またも、吉野さんはぼくの腕を掴むと走り出した



帰りたいんだよーーっ








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