「よかったぁ。なぎさちゃん、落ち込んでたから。ちょっと素直じゃないところあるし、勘違いされやすいから…」
ちょっと…?
引っかかることがあるけど、話しを遮ることもできず、うんうんとうなずき続けた
慣れれば大丈夫なのか、吉野さんはよく話し、よく笑う
春川さんの話がつづき、よくわからないまま日が暮れかけていた
「…ということなの。なぎさちゃんはとっても優しくていい子だよ。分かりにくいけど」
春川さんがいい子なのはわかったよ
そろそろお腹が減ったし、帰りたい
「吉野さん…そろそろ」
「あっそうだよね。ごめんなさい、遅くなっちゃって」
「ううん」
だから帰ろう
「早くなぎさちゃんちに行こっ」
「えっ!?」
またも、吉野さんはぼくの腕を掴むと走り出した
帰りたいんだよーーっ
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