【短】ハッピーバレンタイン





真っ赤になって俯く春川さん



なんだか可愛い



「何が逆なの?」



「逆ったら逆よ!」



つんけんしてる春川さんが可愛く見える



ぼくの目まで変てこになったみたい



「ぼく、この土手までよく走るよ。まだ速くならないけど」



「……」



「ここから見えるんだね。どこかですれ違ってたのかもね」



春川さんが黙り込むから、ぼくは空気を変えようと色々話した



「知ってる」



ずっと黙ってた春川さんが、ぽつりと呟いた



「ん?」



「のろまって言ってから、野呂が走ってるの」



「ちびって言ってから、野呂が苦手な牛乳飲んでるの」



「いっぱい頑張ってたの知ってる」



ぽつりぽつりと、春川さんは話し出した



ぼくの秘密の特訓を









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