真っ赤になって俯く春川さん
なんだか可愛い
「何が逆なの?」
「逆ったら逆よ!」
つんけんしてる春川さんが可愛く見える
ぼくの目まで変てこになったみたい
「ぼく、この土手までよく走るよ。まだ速くならないけど」
「……」
「ここから見えるんだね。どこかですれ違ってたのかもね」
春川さんが黙り込むから、ぼくは空気を変えようと色々話した
「知ってる」
ずっと黙ってた春川さんが、ぽつりと呟いた
「ん?」
「のろまって言ってから、野呂が走ってるの」
「ちびって言ってから、野呂が苦手な牛乳飲んでるの」
「いっぱい頑張ってたの知ってる」
ぽつりぽつりと、春川さんは話し出した
ぼくの秘密の特訓を
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