『かおり!?』

少し離れた席から呼ばれた気がした。

キョロキョロしてると声の主が目の前で懐かしい笑顔で現れた。

「ショウ君!」

団体客は一つ席に収まらずいくつかに分かれていた。

『久しぶり!何でキャバ嬢なよ…俺あっちの席やからこっちこいよ。』

そして少し寂しそうな笑顔で私の腕を引っ張った。

「勝手に席かわったらアカンねん!指名料かかるで?」

『そんなんどーでもいい。えーから来い!お前!あっちの席に着け!』

半ば強引にショウ君に付いていた女の子を私がいた席にやった。

「お客様!かおりさんご指名で宜しいですか?」

ボーイが聞いた。

『おう!』

ショウ君のイメージが変わった。

ちっさくて可愛いイメージだったのに…。

キャバで遊んだりする【男】になったんだ…。

うつむいている私にショウ君が話しかけてきた。