何度も何度もキスをしたあとで 苓那を抱き寄せた。 「あたしなんも返事してないよ?」 『わかってる』 「これあげる」 そう言って渡されたのは小さな紙袋。 中には形の悪いクッキーが入っている。 『これ?』 「ハッピーバレンタイン」 あのときの約束覚えてたんだっ。 『これってギリ?本命?』 素朴な質問を聞くと、顔をまっかにして 「知らねえバーカ」 とだけ言う苓那。 スキとかは言ってくれないけど 今の顔を見ると義理チョコじゃないみたいだな。