「ごめん、誰にも聞かれたくなかったから。」 誰かに邪魔されるのだけは避けたい。 せっかくの楽しみを奪われるなんて絶対に嫌だから。 「そうなの?」 無邪気な彼女。 これから自分がどうなるかも知らないで。 彼女には警戒心がまるでない。 そのおかげで僕の作戦は成り立つわけだが。 「うん、秘密の話。」 誰にも知られたくない、僕だけの秘密。 それをこれから作るんだ。 それじゃぁ、始めようか。 「それはね・・・・。」 僕は鞄の中に手を入れてあるものを握り締めた。