【短】籠の中の小鳥




「ごめん、誰にも聞かれたくなかったから。」




誰かに邪魔されるのだけは避けたい。

せっかくの楽しみを奪われるなんて絶対に嫌だから。




「そうなの?」




無邪気な彼女。

これから自分がどうなるかも知らないで。



彼女には警戒心がまるでない。

そのおかげで僕の作戦は成り立つわけだが。




「うん、秘密の話。」




誰にも知られたくない、僕だけの秘密。

それをこれから作るんだ。



それじゃぁ、始めようか。




「それはね・・・・。」




僕は鞄の中に手を入れてあるものを握り締めた。