大切なもの


だって、

人がいっぱいいる、

ランチルームで。


夢舞 花梨さんは、

彼氏の存在を認めましたとさ。

だぜ?!?!?


「「「「「何ぃ!?!?!?!?!?!?!?!?!」」」」」


同級生も先輩も後輩も。


そこら中のあらゆる男子が、

俺の方を一斉に見た。


怖ぇ……


花梨って、

そんなにモテるんだな。

ちょっとジェラシーだぜ…


「フンっ!!

怜央くんに何かしたら許さないから!!!!!」


花梨はやけくそになって、

異様にでかい声を出して言った。

でも、

スッと通った声で、

耳障りじゃない。


大きな声って言っても、

加減をちゃんと知ってる。


「花梨ッ

ちょ、待て!!」


俺は花梨の口を押さえた。

視線に気づいてないのかよ!?