あぁ。
花梨は、
辛い思いをして、涙を流すと思ったから、
そうなる前に、
自分から手を離したんだ。
花梨は、もう、
俺の物じゃなくなる。。。
花梨の笑顔を一人占めすることもできない。
小さい体を抱きしめることもできない。
柔らかい唇に、キスすることだってできないんだ。
転校したら、会うことだってできない。
普通に別れるのとは違って、
もう会えなくなるかもしれないんだ…
「俺は、別れたくないよ。
でも、花梨が、花梨が決めたなら……」
本音を言うと、花梨の手を、離したくなんかない。
でもな、花梨が決めたことなら、俺は咎めたくない。
花梨を縛りつけたくないんだ。
「私だって、怜央くんと離れたくないよぉッ!!!
でも、でもね、
やっぱり、駄目なんだよ。
駄目ってしか言えないけど、私は、絶対耐えられない。
怜央くんと離れることなんて、私には耐えれないの。
でも、離れないといけない。
だから、だからね。
細い糸で繋がってるよりも、糸を断ち切った方が、
私はいいと思うの……」