「数学が好きなんですか…?」

和美は、状況を掴めずに自分の本と和美の教科書とを見比べる美少年に問いかけた。


「いや、あの、だ、太宰治好きとかではないんですか?」

なんとも唐突だ。
そして和美の質問には答えていない。


何もかも意味が分からない。

「太宰治は好きですけど…」

とりあえず答えてみる。


美少年は微笑んだ。
本当に綺麗に微笑んだ。

モナリザも、微笑を崩しておどろき目を見開くのでは?
とゆうくらい爽やかで綺麗な笑顔だった。