『センセイ』

チャイムと同時に押掛けたクラスメート

貴方は慣れた仕草で受け取っている

沢山の女の子に囲まれて持ち切れない包みを抱えてる

私が渡してもみんなと同じ

大好きなあの笑顔で
「ありがとう」
ってチョコレートの山に重なって終わり

そんなの絶対イヤ

みんなと、同じになんてなりたくない

笑顔で流されるぐらいなら渡さない


机のなか
ぎゅっと握り締めたチョコレートが手のひらのなか溶けていく

誰にも知られず溶けていく


気持ちも一緒に溶けてしまえばいいのに