山さんが近づいてくるのが
足音で分かった。
「俊、大丈夫!?」
「・・・。」
大して痛くなかったけど、
恥ずかしいのと、
めんどくさいのと、
気持ちが混じって、返事をしなかった。
山さんには悪いと思ったけど。
「ぶははは!!」
笑い声。
俺の事笑ってる声かな?
この声カケだと思う。
「だからよぉ~、俺は南ちゃん狙いなの!」
「んだから、小川はカケの事なんか気にもとめてないからね〜」
「うそーん。まじかよ〜超ショック~。」
カケがいじけたふりをした。
新垣がすかさず、カケをあやす。
小川南と言うのは女子陸部の
可愛い一年生だ。
すごいもてるらしい。


