西城理子は、送迎車の車から白い足を見せた。
「お嬢様、いってららっしゃいませ」
と、使いが言った。

理子は、軽く会釈をすると、ローファーの音を響かせて、歩いて行った。

これは、日常のことで、父親は、あの有名“神聖学院大学”の名教授、母親は、東南医科大学の講師、現役外科医をしている。
なんといっても、母の父親は、日本、韓国、アメリカ、中国、香港に貿易会社を持つ、アジアを中心に誰もが知っている資産家だ。
父親は、アメリカのハーバード大学でも教授