学校のすぐそばにあるコンビニで、翔と待ち合わせて、初放課後デート。


中学のころから、放課後はいつも一緒に帰っていたけれど、地元が田舎なので、特に何をするでもなく、ただただ歩いて帰るだけだった。


でも高校に入ってからは違う。


高校があるところは、地元と違って少し都会だった。


だから、帰りに食事をしたり、ゲーセンで遊んだり、買い物をしたりと、前とは違った放課後デートができる。


せっかく高校入って初の放課後デートだったのに‥あたしの気分は、最悪だった。


「おつかれっ。クラスどうだった?」


翔は、あたしが不機嫌なのに気付きもせず、普通の態度で聞いてくる。


「仲いい子がさっそくできた」


「まぢ〜!よかったじゃん!!」


「うん。‥翔は?友達できた?」


「当たり前〜☆俺友達つくるの上手だからっ♪(笑)」


「へー」


あたしは上機嫌な翔の態度に少しイラつきを見せながら答えた。


「‥ユカ、なんか怒ってない??」


翔は、やっと気付いたらしく、聞いてきた。


「べっつにー」


あたしは、わざと笑って答えた。


この時、女の子とあまり関わってほしくないって‥あたし以外の女の子と仲良くして不安にさせないでって‥ちゃんと言ってれば未来は変わったのかな?


でもこの時は、話すくらいなら大丈夫。そう思ってたんだ。


「なんか怒ってんのかと思った!怒ってないんなら別にいいや!!(笑)」


そうだよね。
翔は鈍感だから‥言わなきゃ伝わらないよね。
でも言わない。
言えない。


中学のころも女の子と仲良かった翔。
でも付き合ってから1年間ずっと、あたしだけをちゃんと見ててくれた。
目移りとか全くしないで、ずっとずっと好きでいてくれた。


疑いたくない。
だから信じることにしたんだ。