マジック・エンジェルほたる

「え?バーチャル(仮想)のバトル(闘争)のⅥ(6)…?」
 戸惑う有紀を無視して、由香は「そうそう。こうして、このファイター(戦闘人)を操って…」などとニヤニヤと呟きながら、素早く百円玉を投入して、座席について熱心に操作レバーとボタンに手をかけた。そして、画面を真剣にみつめた。…けして、お勉強の時にはみれない真剣な顔…。蛍はカラカラ笑い、
「けけけ…。どうかなぁ?由香ちゃんってばバーチャあんまりうまくないからなぁ。千五百点くらいがベスト・スコアって所っしょっ」といった。
 由香は眉をつりあげて、ディスプレイから目を離しもしないで「うるっさいのよ、この馬鹿蛍!みてらっしゃいよ、この由香ちゃんの天才的なテクってもんをみせつけてやるわ!ははは…」
 と反発して傲慢に笑った。蛍と有紀はジッとバーチャというゲーム機の画面を由香の肩越しから覗いた。ーどうかなぁ、由香ちゃん。
 ビュロロロ…っ。ゲームが開始される。どういうゲームかというと、画面上のファイターを操って敵を殴ったり蹴ったりして倒していく遊びだ。仮想の世界でファイターを操って闘わせる……なるほどバーチャル(仮想)のバトル(闘争)だ!」
「ようっし、殺せ!」
 戦士を操作する由香は品のない言葉を叫んで、画面をギリリッと睨みつけた。しかし、蛍のいうように、由香はバーチャはあんまりうまくはなかった。ードオ・ン!
 あっという間にやられてゲーム・オーバーとなってしまったのである。得点は二千点ちょっと…。