マジック・エンジェルほたる

 しばらくしてから由香が、
「あのねぇ、有紀ちゃん……。もっとさぁ、明るく元気な態度でいなきゃダメよ。頭だけよくたってさぁ、人とお話し出来なくては”有紀ちゃんの良さ”を誰も理解できないでしょ?……有紀ちゃん、学校の生徒達になんていわれてるか知ってる?「あの子は頭や顔はいいかもしんないけど…暗くって大っ嫌い!あんな子…ぜったい中間にいれたくないわ」とか言われてんのよ」と優しい表情をしながら、同情をこめて有紀にいった。
 有紀は不安気な表情をいっそう曇らせて、泣きそうな瞳になった。
 蛍は魅力的な笑顔で「あのさぁ、有紀ちゃん。もっともっと大きな声を出してみるっていうのはどうかなぁ?大きな大きな声で話せば…自分に自信がついて性格だって明るくなるってもんっしょ?」
「うん。うん。うん!そうね、そりゃあグッディ(グッド)アイデアね!」
 そう笑顔でいったのはもちろん有紀じゃない。赤井由香である。そして、「ではっ」といった由香は皮肉屋らしい笑みを浮かべて、
「わあああぁーつ!」
 と、他人の迷惑も考えずに絶叫した。その次の瞬間、じっと有紀の顔を見て、大声を出すように促した。
 もちろん有紀はビックリした顔で由香の方をみつめて何も発声しなかった。
「さぁ、有紀ちゃん。叫ぶのよ!」
「そうそう、わあーでもきゃーでもうおーっでもいいからさぁ」
 それで有紀は、多少慌てながら「あーっ。」っと可憐な声を出した。でも、まだ弱々しい!