マジック・エンジェルほたる

「あ、由香ちゃん!由香ちゃん!」
 負け犬の蛍は、心配して叫んだ。
 急いでセーラが由香の元へと飛んで、
「由香ちゃん、必殺技を使うのよ!」
「必殺技って、コブラ・ツイストとかエンズイギリとか十六文キックとか?!」
 妖精は大慌てで逃げ回る由香に怒鳴るように教えた。「レッド・ハリケーンよ!レッド・ハリケーンって叫んで、右手を弓のように頭上から降り下ろすのよ!!」
「……わかったわ!」
 由香は、キッと目を鋭く輝かせると、右手をゆらゆらと蛇のように頭上にかかげて、
「レッド!…」と叫び、続けて「…ハリケーン!」と大声で全身の力を込めて右手を弓のように降り下ろして叫んだ。ビュウウ…ッ。右手のお札から輝かしく荒々しい「赤いハリケーン」が吹き荒れ、目にもとまらぬ速さできらきらと赤色に光りつつ、フィーロスに向かって放たれた。空間を走るハリケーン!!
「きゃあぁーっ!」
 ハリケーンの直撃をうけて、フィーロスは悲鳴を上げた。そして、そのままどこかへ姿を消していった。次の瞬間、パペットと化していた宝林が人間の姿へともどって、気を失って床に倒れこんだ。
「ゆ、由香ちゃーん!!」
 蛍は喜んで涙を流しながら由香のもとへ駆け寄った。「ほ、蛍!」そして、ふたりは感動的に強く強く抱き合った。
「どう?蛍。私の闘い方は……?」彼女は魅力的な表情で尋ねた。「とってもカッコよかったでしょう?」