マジック・エンジェルほたる

「な、なんですってっ?!」
「………」由香と有紀は、螢の言葉に呆れてしばらく呆然と立ち尽くした。そして、やってらんない、っという顔で由香は、
「…じゃあ、正義の味方さん、ひとりで頑張ってよね」といって歩き去った。
「あっ!ちょ、ちょ、ちょっと!!由香ちゃん、待ってよ!」
 螢はあせりまくって由香の後ろ姿へ声をかけたが、あまり意味はなかった。でも、有紀ちゃんはじっとして立ち尽くしてたので螢はすがるような涙目で口元に笑みを浮かべて、「ゆ、有紀ちゃん。あなただけが頼りよ。…一緒に闘いましょうね?…ね?」
 けれども「……」と有紀は無表情のまま歩き去った。ゆっくりゆっくり…蟹のように。「…あ!あ?!有紀ちゃん!そんなっ、そんなっ、友情はどうなったってのさぁ」
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「先輩っ、宮木先輩っ!」
 美里は荒い息をはきながら激痛に顔をゆがませていた宮木先輩を心配して声をかけた。「…み、美里ちゃん。怪我…は……ないかい?」
 宮木は無理に微笑した。
「せ、先輩…っ」
 妖精セーラは、美里の姿をみていてハッとした。彼女の全身から微かに黄色のオーラが立ち上がっているのを確認したからだ。もしかして…?!
「ちょっと、あの……誰だっけ?……あなたっ、そこのあなたっ!!」
 セーラは美里の方へ飛んで近付いて呼び止めた。
「…え?」美里は悲しみの表情のまま振り向いて呟くようにいった。「なんだい?」
 妖精は「あの、あなた」と続けようとしたが、美里がやっと妖精の存在に気付いて、
「うぁっ!なにっ、なにっ?オバケ?!」といったのでやめた。
「おばけですって?!……あのねぇ。もおつ」
「よ、妖怪が喋った?!」