「うあっ!」
健三郎と英さんは間一髪、バギーから飛び逃げて無事だった。バギーが大爆発をおこす。「だんな様、お逃げください!」
迫るダビデに抵抗する英さんだったが、あっという間に殴り倒されてしまった。そして、健三郎は顔面を凍らせた。あの残酷なダビデが遅いかかってきたからだ。
「うああぁ…っ!」
健三郎の悲鳴を耳にした美里と宮木先輩は、ハッとして、声のした方向へ駆け出した。そして、ダビデに首を締め付けられて吊されている黄江健三郎の姿を目撃した。
「お、おやじ!」
ダビデは左手を健三郎の胸元に当てた。が、彼は輝石の持ち主ではなかった。ちいっ!この醜い成金豚め!殺してやる!!
魔物は眉をつりあげて、首根っこを力強く締め付け始めた。「うぐぐ…」このままでは、おやじが殺される!
「このっ、放せ!」美里は必死の形相でダビデに何度も蹴りやパンチをくらわしたが、まったくダメージを与えることは出来なかった。ダビデは余裕の笑みを浮かべて、
「邪魔だ、この蠅っ」と彼女を威嚇するように睨んで、力強く殴り倒した。
「うぁっ」美里は地面に叩き付けられたが、すぐに攻撃を再開した。「このぉ、あたしをナメるんじゃないよ!」
「…この蠅め。うろちょろするな」
「この化け物!くらいなっ!」
「死ね!」
ダビデは憤慨して、攻撃してくる美里を右足で蹴り飛ばした。そして、きゃあ、と地面に叩き付けられた彼女に向かって光矢を放った。次の瞬間、美里はよける間もなくなって、恐怖で身を凍らせて絶望的な眼をギュッと閉じた。
「うああぁっ!」
しかし、光矢の直撃をうけて激痛に顔をゆがませたのは美里ではなかった。それは宮木先輩だった。先輩が自分の身をなげうって美里を守ったのだ。
「ーせ、先輩っ。宮木先輩っ!」
美里はゆっくりとスローモーションのように倒れ込む宮木を抱き抱えて、涙声で叫んだ。「しっかりして、先輩っ!!」
「美里…ちゃん」宮木武蔵は、いつものように優しい顔をしていた。激痛で表情はゆがんでいたけど、その顔はきらきらと輝いてみえた。ー先輩っ!
「お待ちなさい!」


