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「あぁ…ん、だめよっ。私たちっ、まだ十六なのよ。でも…キスくらいなら…っ。ああっ、ダメダメ!それ以上は……ダメよ」
別にポルノ小説にかわった訳ではない。これは、青沢螢の寝言である。
”お馬鹿さん”の部屋の早朝。
寝言をイビキ混じりに呟きながら、パジャマ姿の螢はベットで寝返りをうった。そして、「あいたたっ」
とつぶされた妖精セーラがちいさな可愛らしい声をあげた。しばらくして、
”妖精の直感”がまたまた動いた。セーラは異様な殺気に気付いて眉をひそめた。
「ほ、螢ちゃん、螢ちゃん!起きて!起きてよっ!!」
しかし、夢見心地でこっくりこっくりと眠りまくっている螢はなかなか起きなかった。 セーラはイライラと「なによっ。もぉ…。螢ちゃんなんてっ、馬に蹴られて死んじゃえ!……といっても馬なんて近所にいないからー」と叫んで、続けて「じゃあ、このセーラちゃんに蹴られて死……起きなさい」と螢の顔面に回し蹴りをくらわした。何度も何度も。 そして、鈍い螢はやっと目を覚ました。寝ぼけ気味に「な…な、なによっ、セーラ。まさかあんたオネショでもしたのっ?」
妖精は真っ赤になって「馬鹿じゃないの?!…私は幼児じゃないのよっ!」と怒鳴った。「誰もつま楊枝なんていってないっしょ?」
「バカ!………あ!そうだわ。螢ちゃん、敵よ!!敵が現れたようよっ!だからお札だして闘うのよ。由香ちゃんと有紀ちゃんは私がテレポートして連れてくるから…」
「テレポークっててれ焼きの豚肉のこと?」
「お馬鹿ーっ!いいからさっさと着替えていくのよ!」妖精は思わず怒鳴った。


