「おい、お前らっ。その子達に指一本でも触れてみろ…このあたしがタダじゃおかないよ」 不良娘達の背後の路上に仁王立ちしていた美里がそう叫んで。フン、と鼻を鳴らした。そして、
「お前らみたいなクズどもなんて一人一人相手にするのはかったるいからさぁ…まとめてかかってきなっ!!」
黄江美里はそう啖かを切った。
「…でたぁ。正義の味方…美里ちゃん!!」
螢と由香は自分達の立場を忘れて喚声をあげた。有紀は息を飲んで美里を見つめていた。…ひとりを倒すのも大変なのに…こんな大勢を一片に相手にするなんて…無謀だわ。
「てめえは、緑川高の黄江っ!…なめるな!」
「このぉ!…死ね!!」
不良娘達はナイフや金属棒を構えて彼女に襲い掛かった。チェーンをふりまわす音も聞こえる。…バキッ!ドスッ!ドガッ!!ガツッ!!
鈍い音とともに不良たちは殴り倒されてドドッと路上に転がった。
ヤクザ映画などでは主人公がカッコつけて横たわる人間の腹を蹴ったりする場面だが、それはやってはならない。内臓が破裂したりして死ぬケースが多いからだ。殺したらそれはもう喧嘩ではなく、単なる”殺人”である。
うあっ、見物していた螢たちは喚声と拍手で彼女をほめたたえた。彼女は少し微笑した。 しかし美里はそのまま後ろを向いて歩き去ろうとした。あまりこういうのは好きじゃない。美里はシャイなのだ。
「あ。ま、まって。美里ちゃん」
そんな美里を、有紀が優しいお母さんのように呼び止めた。
夕方のオレンジ色と寂しい空気がたちこめて草の匂いがした。
美里と螢たち三人はほんわりとしたまま、川沿いの土手の低い草原の頂きに座って、地平線のはるか向うの夕焼けを眺めていた。午後…いや夕方の川沿いの草原はなんとも幻想的で、目の前の人生の恐怖や挫折・大きな大きな壁などを少なからず忘れさせてくれる。どこまでもオレンジの空。低く飛ぶ烏や鳥。これがほんらいの平凡な日本的夕暮れだ。
「あたしはさぁ……黄江美里っていうんだ。あ!でもなんか知ってるみたいだねぇ」
美里はまぶしそうな目でいった。
「お前らみたいなクズどもなんて一人一人相手にするのはかったるいからさぁ…まとめてかかってきなっ!!」
黄江美里はそう啖かを切った。
「…でたぁ。正義の味方…美里ちゃん!!」
螢と由香は自分達の立場を忘れて喚声をあげた。有紀は息を飲んで美里を見つめていた。…ひとりを倒すのも大変なのに…こんな大勢を一片に相手にするなんて…無謀だわ。
「てめえは、緑川高の黄江っ!…なめるな!」
「このぉ!…死ね!!」
不良娘達はナイフや金属棒を構えて彼女に襲い掛かった。チェーンをふりまわす音も聞こえる。…バキッ!ドスッ!ドガッ!!ガツッ!!
鈍い音とともに不良たちは殴り倒されてドドッと路上に転がった。
ヤクザ映画などでは主人公がカッコつけて横たわる人間の腹を蹴ったりする場面だが、それはやってはならない。内臓が破裂したりして死ぬケースが多いからだ。殺したらそれはもう喧嘩ではなく、単なる”殺人”である。
うあっ、見物していた螢たちは喚声と拍手で彼女をほめたたえた。彼女は少し微笑した。 しかし美里はそのまま後ろを向いて歩き去ろうとした。あまりこういうのは好きじゃない。美里はシャイなのだ。
「あ。ま、まって。美里ちゃん」
そんな美里を、有紀が優しいお母さんのように呼び止めた。
夕方のオレンジ色と寂しい空気がたちこめて草の匂いがした。
美里と螢たち三人はほんわりとしたまま、川沿いの土手の低い草原の頂きに座って、地平線のはるか向うの夕焼けを眺めていた。午後…いや夕方の川沿いの草原はなんとも幻想的で、目の前の人生の恐怖や挫折・大きな大きな壁などを少なからず忘れさせてくれる。どこまでもオレンジの空。低く飛ぶ烏や鳥。これがほんらいの平凡な日本的夕暮れだ。
「あたしはさぁ……黄江美里っていうんだ。あ!でもなんか知ってるみたいだねぇ」
美里はまぶしそうな目でいった。


