マジック・エンジェルほたる

「おい、このガキっ!痛いじゃねぇか!!骨でも折れたらどうしてくれんだ」
 不良娘の”金髪”が怒鳴った。…骨が折れたから医者代よこせ!といわないのでヤクザではないらしい。チンピラではあるかも…。
「このガキっ!それに後ろのダチ公!…オトシマエつけてもらおうじゃねぇか!!」
 リーダーらしい”銀髪”がそういって恐喝を始めた。三人はあっという間にいく手を阻まれて周囲を取り囲まれた。
「…あのっ……お財布を忘れてお金は……その…」
 と恐怖で身を小刻みに震わせながら由香はつぶやいた。
「…そうです。えぇ…まぁ。ローンで…いいなら…」と同じく螢。
「やめて下さい!螢ちゃんはちゃんと謝ったじゃないですか。暴力ではなにも解決しないわ」
 怖そうな様子をみせてはいけない、と有紀は自分にいいきかせた。ーしかし、やっぱり怖い。
「金は後でごっそり頂くよ。…おまえ達を殴り倒して血ダルマにしてからねぇ。楽しみだねぇ。あたいたちは赤い流血をあびると興奮するたちだからね」
 とリーダーの”銀髪”はサディスティックに笑った。な、な?!殺される!
「男とやるよりオーガニズムを感じるね」
 不良娘たちがじわじわと近寄ってくると、螢たちは足がすくんで顔から血の気が引いていくのを痛いほど感じた。
 あぁ、誰か、誰か助けて…。
 ーと、次の瞬間、
 ブシュッ!
 ”銀髪”の右肩に、疾風のように素早く飛んできた風車が突き刺さった。赤い風車…。まさか水戸黄門の”風車の弥七”?!まさか!
「い、いてぇ!誰だ?!」
 ”銀髪”と仲間達は背後をふりむいた。そして螢たちもその方向へ目を向けた。