三人はソフト・クリームを舐めながらゲームセンター「ギルガメッシュ」にと足を運んだ。由香と有紀は螢の歌のせいで耳が少しおかしいままだ。ー大川なんとかみたいにキリストの声でも聞こえる…?ーきこえたら怖いな。バカみたいで…。
そして三人は懲りもせずバーチャル・バトルをプレイした。やはり有紀が一番とうまい。 しばらく関心して画面を眺めていた螢と由香は、十七才くらいの男たちが数人でセンター内へとはいってくるのを見た。いわゆるヤンキーだ。
嫌な予感がしてヤンキーたちの姿を目で追った三人だったが、ゲーム機やプリクラ機の死角になってみえなかった。ドタバタ!
「やっぱりここにいやがったな、このアマっ!」
「…この間はよくもやりやがったな、このっ!今度は俺らがてめえを殴り倒して地面に這いつきばらせる番だ!!そして、たっぷり可愛がってやるぜ!」
ひどく低俗な男達の威嚇の怒鳴り声を耳にして、三人は”バーチャ”をそっちのけで身を動かして、声のする方向、場所へと近付いた。そして有紀はビックリして、
「あ!美里ちゃん」と思わず声を微かに上げた。ヤンキーたちに取り囲まれているのは、あの黄江美里だった。制服姿の「演歌おたく」の美里…。
「な、なによっ、あの連中っ」
「女の子相手に何をいきがってるのよっ。卑怯者っ!!恥をしりなさい恥を!」
「よし、こうなりゃ封印よ!お札よ……」
由香は螢を殴った。「おバカっ!」
もちろん由香と螢のふたり組はけしてヤンキーたちにきこえるように言った訳ではない。呟いたのである。
キッと凛々しく勇ましい顔で立ち尽くしていた美里は足を動かして通り抜けようとした。ニヤニヤとしていた男達が急激に踊るように美里の行く手を遮った。
美里は動じず、真っ直ぐに相手の目を見据えて、
「どきなよ!」といった。


