マジック・エンジェルほたる

 「黒いけむり」の直撃をうけて、アラカンは悲鳴をあげた。そして、なおも全身にまとわりついて動きを封じ込めている”煙り”の存在に困惑して舌打ちした。「くそっ、動けん」
「螢ちゃん、由香ちゃん!今よっ」有紀は茫然と立ち尽くしている二人に熱意をこめた口調でいった。「螢ちゃんたちの力をしめす時よ!」
「ーそ、そうね!もっともだねっ」
 螢と由香はそういうと目を輝かせて、「レインボー」と「ハリケーン」の必殺技を放った。そして、虹の稲妻と赤いハリケーンは戦慄して立ち尽くしていたアラカンに直撃した。「ぐあっ!」
 次の瞬間、アラカンは口や耳から緑色の血を噴出して、ドサッとコンクリートの地面にふき飛ばされて転がった。やがて、アラカンの体中から微かな煙りがたちこめて、ドロドロに解けだし蒸発しミイラ状態になり…そのうち微かな粉状になり風とともに消え去った。「………」
 有紀はアラカンの最期を金縛りにあったようにしばらく茫然と立ち尽くしてみていた。「ゆ、有紀ちゃん!ゆーうき(違う!)!!」
 螢たちは喜んで有紀の元へ駆け寄った。そして「ありがとう有紀ちゃん、助かったわ!」「そうそう…サンクス池袋西口店……ちょっと苦しい……ね」
 三人はがっしりと握手を交わしあった。長いながい握手…強く強く結ばれた絆と友情と愛情。それは三人を透明な気分にさせてくれた。三人はこの瞬間を愛した。きらきらとした瞬間を。
「…あ、あのね…有紀ちゃん……いろいろあって大変だったろうけど…元気だしてね」