マジック・エンジェルほたる

 しばらくしてから、セーラは、「さぁ、これをあげるから…」といって右手にもった黒色のお札を差し出した。有紀は驚いてから、オドオドと、いった。
「え?で、でも……知らないひとからむやみに物をいただく訳にはいかないわ。あなたもお母さんからそう教わったでしょう?」
「……まぁ、一応。………でも、あのね。まぁ、そうかたいこといってないで、かけてみてよ!」
 有紀はかなり躊躇してからオドオドとお札をもった。そして、
「……あの、それで?」と素直にきいた。
「”お札よ、魔物を封印せよ!”って叫ぶのよ!そして”封印”するのよ」
 有紀は素直な顔のまま「それで?」と尋ねた。
「……あ。それで伝説の戦士マジックエンジェルになるの」
「伝説って……どんな伝説なのかしら?」
「……え?あ、伝説ってばいろいろね。話すと長くなるから後で教えるわ」
「…マジックエンジェルってどういう意味かしら?鳩さんをポケットから出したりトランプを消したりする天使なのかしら?天使って…白衣の天使の看護婦さんのことかしら?それとも…」
「もおっ!そんなことどうでもいいでしょ!」妖精は少し癇癪を起こした。キャラクターに似合わずヒステリックな声を出した。「…あなたは少し考え過ぎるのよ。よけいなことはきかなくていいから…」
「……でもちゃんと状況を熟知しておかないといけないんじゃないかしら?でないと」
「……あのねぇ、もおっ。…いいからいわれた通りにやりなさい!」
 妖精の怒りにふれて、有紀は肩をすくめて「…あ…はい。…ごめんなさい…」と素直に頭をさげた。ので、妖精は「あ、いえ、いいのよ別に」と、すっとんきゅうな声を出した。「…………やらなくてもいいのね?」
「やりなさい!」