マジック・エンジェルほたる



 ウィー・ア・ポジティブ・ガール
 どんな時も あきらめないで 素直なまま恋して
 ウィー・ア・ポジティブ・ガール
 強がりいっても 何してても 許してほしいのよ
 ウィー・ア・ポジティブ・ガール
 一瞬の ときめきを忘れないで 歩いて
 ウィー・ア・ポジティブ・ガール
 臆病な 自分たちをすべてこわして 微笑(わら)うから!

  有紀の呟きが消えて、凝視もおさまった。

 立ち尽くさないで…  悩まないで……

  二人は歌いおえた。もちろんサビ(ブリッジ)の部分だけだったけど、それでも魅力的なメロディだった。有紀ちゃん、有紀ちゃん、愛してるよ。私たちは親友でしょ。だから、分かりあえるよね。大丈夫よね。
「有田先生。黒野が32位になった理由(わけ)を知ってますか?」
 またまた神保先生がやってきて、同僚の有田先生にニヤリと声をかけた。
「いえ。……理由なんてあるんですか?」
「えぇ。」神保は白く鋭い歯を見せて、「こいつらですよ。この青沢蛍と赤井由香にしつっこくまとわりつかれて勉強が手につかなかったんでしょう。まぁ、朱に交われば赤くなる(交際する人からずいぶんと悪い影響をうける)ってことわざがあるけれどね。まさに、それですなぁ。こんな馬鹿コンビと仲良くなったばっかりに……不幸なことです」
 神保の冷たい言葉に蛍はムッとして、
「先生!そんないいかたないっしょ?!」
 といった。由香は狼狽しながらも、
「そうですっ、先生!馬鹿コンビだなんてっ。蛍は全滅だとしても…私は美術は年間オール百点でしょっ?!だから…」