「お、上がれよ。」

「おじゃまします!ね、雨降ってきたよ!」

「相変わらずだな、お前。」


そう言って苦笑するあなた。


だって、雨が好きなんだもの。
雨音も、雨の降る姿も、雨上がりの美しく光る雨粒も。

あなたと私と、雨との記憶も。




それとね、何より好きなのは……





「ほら。」

そう言っていつも通り、私の手をとって一緒に窓を開けに行くあなた。

嬉しくて、顔をにやけさせて雨を眺める私。

ふと横に目をやれば、あなたが優しい顔で微笑んでいる。




この横顔が、一番、大好き。








―完―