Call My Name

また屋上に舞い戻る

青い空に浮かぶ白い雲を眺めながら、ごろりとコンクリートの地面に寝転んだ

何もかもが面倒くさいって、何かをやる気っていう気力が湧いてこない

こんな脱力感は、今まで生きてきた中で初めての経験かもしれないな

「みーつけたっ」

茶髪の女が、覗きこんできた

長い髪を耳にかけると、俺ににっこりと笑った

ついさっき教室で、俺の右の腕に絡んできた女だ

「…んだよ」

「意地悪ね」

「はあ?」

意味がわかんねえよ

何が意地悪なんだか

…てか、意地悪なのはそっちじゃねえの?

静かに過ごしたい俺の時間を邪魔して置いて…さ

女の指が、俺の顔を撫でて首筋へと流れていった

「ね、しよ」

「しねえ」

「どうして?」

「理由が聞きたいのはこっちだ。どうして俺をやりたいと思う?」

女の指が、俺の制服のネクタイを外し始めた

しねえって言ったのを聞いてねえのかよっ

「サキがね。自慢すんだよねえ。まるで立宮弟を自分のモノみたいな感じでさ。エッチが上手だとか…気持ちがいいとか。なんか、むかつく」

「はあ? 詰まんねえ理由だなあ」

「じゃあ。好きだから抱いてって言ったら抱く?」

「余計抱かねえ」

「なら、いいじゃん。詰まんない理由のほうが」

女の唇が落ちてきた

クラスメート以外の女子と付き合うってツバキと約束してんだよっ

やめてくれよ

俺は…欲しくねえんだよ