「あ、そうだ! スイレン、明日なんだけど……」
何を思い出したのか
助手席に座っているツバキが、手を叩くと俺たちのほうに振り返った
手がぱっと離れると、「な…なに?」と慌てているスイレンの声がラジオの声をかき消した
俺はずっと窓を見たまま、スッと手を引っ込めた
ツバキは俺たちが手を繋いでいるとは気付かずに、いつもの調子でスイレンに話しかけている
気づいていたら、きっと俺がツバキに怒られていたんだろうなあ
そんなことを考えていた俺は、自然と口元が緩んだ
窓に反射している俺の顔が、笑っている
いつから俺はこんな穏やかな表情ができるようになったのだろうか?
こんな風にも笑えるんだな、俺って
「おいっ! 何、笑ってんだよ」
ツバキが俺の顔に気がついたのか、低い声で言ってきた
俺は視線をツバキに合わせると、「別に」と口を開いた
「なんだよ、その含み笑いはよー」
ツバキは不満そうに口を尖らせた
「幸せだな…お前たちは」
「ああ? 意味がわかんねえよ」
ツバキが詰まらなそうな声をあげると、すぐにスイレンとの会話に戻った
ふと視線を上にすると、バックミラー越しに兄貴と目が合った
兄貴が、何もかも理解しているような笑みで俺に笑いかけると、目線をバックミラーから外した
…たくっ
どいつも、こいつも自分勝手なんだよ
何を思い出したのか
助手席に座っているツバキが、手を叩くと俺たちのほうに振り返った
手がぱっと離れると、「な…なに?」と慌てているスイレンの声がラジオの声をかき消した
俺はずっと窓を見たまま、スッと手を引っ込めた
ツバキは俺たちが手を繋いでいるとは気付かずに、いつもの調子でスイレンに話しかけている
気づいていたら、きっと俺がツバキに怒られていたんだろうなあ
そんなことを考えていた俺は、自然と口元が緩んだ
窓に反射している俺の顔が、笑っている
いつから俺はこんな穏やかな表情ができるようになったのだろうか?
こんな風にも笑えるんだな、俺って
「おいっ! 何、笑ってんだよ」
ツバキが俺の顔に気がついたのか、低い声で言ってきた
俺は視線をツバキに合わせると、「別に」と口を開いた
「なんだよ、その含み笑いはよー」
ツバキは不満そうに口を尖らせた
「幸せだな…お前たちは」
「ああ? 意味がわかんねえよ」
ツバキが詰まらなそうな声をあげると、すぐにスイレンとの会話に戻った
ふと視線を上にすると、バックミラー越しに兄貴と目が合った
兄貴が、何もかも理解しているような笑みで俺に笑いかけると、目線をバックミラーから外した
…たくっ
どいつも、こいつも自分勝手なんだよ

