Call My Name

俺はポケットから手を出す

右足を軸にして、俺は身体を回転させる

馬鹿みたいに大笑いする男の首根っこを引っ掴むと、そのまま一人を階段下に転がした

「うわぁっ」

階段下に落ちていく男の情けない悲鳴が、大音響の音楽に負けないくらいフロアに響き渡った

スイレンを好みだと言った男は、階段下で気絶をした

弱いヤツだ

受け身もとれねえのかよ

「お前…何すんだよっ」

兄貴を『弱いそうな彼氏』と言った男の毛が逆立つのがわかる

俺に怒りをぶつけてくる

鋭い視線を俺を威嚇するが、俺には何の意味もない

怖くねえ

「俺が階段を下りてんのに、邪魔なんだよ」

俺が偉そうな口調で、2段ほど上にいる男を見上げた

「はあ?」

男が、『年下が何言ってんだ?』って顔をして俺を睨む

俺はにやっと笑う

「スイレン、顔を出すなっ」

2階からツバキの声が聞こえる

「だって…喧嘩を…」

「駄目だっ。馬鹿にかかわるな」

階段を降りようとしたスイレンの腕を掴むと、ツバキがズルズルとフロアの奥へと引き摺っていくのが目に入る

男もちらっとそっちを見やった

本当だ

馬鹿にかかわる必要はねえよな

俺はくすくすと肩を揺らして笑った