Call My Name

崎先生も煙草を吸いにきたようだ

慣れた手つきで、煙草をくわえると高そうなジッポで火をつけた

「兄貴が、心配してるぞ。お前がどんどん不良になっていくって」

崎先生は、兄貴の親友だ

言えない胸の内を、崎先生になら兄貴は話すみたいだ

兄貴はあまり多くを語る人じゃねえ

まあ、ぺらぺらと話さないから、ツバキみたいな奴と付き合えるんだろうけどな

「ははっ、兄貴のほうがよっぽど俺の父親にみてえな発言しやがる」

「心配なんだろ。可愛い弟だからな」

「やめろよ。可愛くねえだろ」

崎先生が俺の肩に手を置いてくる

「可愛いだろ。目つきのこわーいお兄さんたちに囲まれたときは、泣きながら俺の後ろに隠れてたくせにっ」

崎先生が、にやっと笑うと俺の頬をツンツンと指先で突いた

「いつの話だよ。俺がまだ小学のころだろ、そりゃあ」

「今じゃあ、毎日のように身体に傷をつくっちゃあ、登校してくんだから、なあ」

「親父と約束してんだよ」

思わず俺は目を伏せる

なんか…親父のせいにしているみたで、自分の口から吐き出した言葉がすごく嫌だった

毎日、喧嘩して、ドロドロした感情がすっきりしている

楽しいって思っているわけじゃねえ

喧嘩が好きってわけでもねえ

たけど、誰かをボコるたびに、心が一瞬でも晴れた気がするのも事実なんだ

俺の感情が荒んでる

俺の身体がどんどんと闇に落ちていく

俺はこのまま闇の湖に落ちていくのだろう

底の見えない湖に、俺はどんどんと堕ちていく

それが俺の運命なんだろうな