Call My Name

俺は行きつけのクラブに足を向けた

身体は睡眠を欲している

けど、心はモヤモヤを吐き出したいと訴えていた

俺は店内に足を踏み入れると、頭にガンガンと響く音楽になぜかホッとする

カラオケの室内に響く音には、軽い頭痛を感じるのに、ここの大音響は身体が慣れ親しんでて、なんの違和感もなかった

ちょうど店先にオーナーが出ているのに、気がついた俺は、軽く手をあげると、店の2階にのぼっていく

いつものくつろぎスポットに行くと、今一番見たくない顔があった

「んだよっ! 今日もいんのかよ」

俺は、熱心にダーツをやっているツバキの背中を見て、ぼやいた

「ああ?」

俺の声が聞こえたのか

それとも気配に気づいたのか

ツバキがくるっと顔を動かして、俺に目をやる

ツバキの顔も激しく歪む

『お前の顔なんか見たくない』と言わんばかりの表情になって、俺に向かってダーツを投げようとしてきた

「ちょ…待て! 俺は的じゃねえ」

俺は、鞄で顔をガードした

なかなか飛んでこないダーツに、俺はふうっと息を吐き出す

さすがにツバキだって女だ

そこまで横暴な行いはしないだろう

俺は鞄を下におろす…と、同時に俺の頬の横をシュッと何かがかすめていった

「おいっ! 何すんだよっ」

「見たくない顔があったから」

「はああ?」

「同じ立宮でも、私はお前を呼んでない」

ツバキの言葉に、俺は軽く頷いた