Call My Name

カラオケ店から、10分ほど歩いたところに本屋が見えた

見なれた本屋の看板を見ると、なぜか心がほっと安心する

俺は、鞄の紐を肩にかけなおすと、自動ドアを潜った

閉店の準備をしている若い店員の背後に立つと、俺は「あのっ」と声をかけた

「はい?」と返事をする店員は、よく見なれた顔の女だった

「あ? スイレン、ここでバイトしてんの?」

俺は予約票の紙をレジの棚に叩きつけながら、質問を投げた

スイレンも驚いた顔をしている

「あ、立宮君。ここ…私の家だから」

「店番か?」

「うん。今日はお手伝い」

「ふうん」

俺の差し出した紙をスイレンが見る

レジの向かい側にある棚に手を伸ばしたスイレンが、俺が予約しておいた本をすっと取った

予約票に書いてある本のタイトルと、スイレンの手の中にある本のタイトルを、スイレンが確認する

スイレンが前かがみになると、シャツが重力で下に落ちて胸元が、露わになった

白い肌が、見える

ちょっと視線を動かして、俺はスイレンの谷間をちらっと盗み見た

いきなりカッと全身が熱くなる

俺の血が沸騰するんじゃないかってくらい、身体が熱くなって、俺自身が焦った

慌てて、後ろにさがってスイレンの身体から視線を逸らすと、高く積み上がっている本を眺めた

本の背表紙をじっと見つめては、呪文のように本のタイトルを心の中で何度も唱える