Call My Name

だって親父が、お袋に見合いの邪魔はされたくない…とか言って、すぐにセッティングしちまったんだから

俺はよく相手の家柄を知らねえけど、母親の知り合いらしくて、下手に時間があるとお袋に手を回されそうで怖いとか…

親父も親父で、意地になってる気がする

お袋が怒って機嫌を損ねたからって、何も張り合うようにしなくても…

「あの…さ、スイレン。包丁は置こうよ。こっちでゆっくり話をしよう…な?」

俺の言葉に、スイレンの視線を下に向く

包丁を持っていると気がついたのか、スイレンがまな板の上に包丁を置いた

「私、怒ってるんだからねっ」

そりゃあ、もう十分承知の上だっつうの

スイレンの身体から放たれる怒りのオーラに、俺はもうびびってるんだから

「機嫌直して」

「イヤっ」

スイレンがぷいっと横を向くと、俺を通り過ぎてベッドにどすんと勢いよく座った

見合い写真を掴んだスイレンが、俺を睨むと俺に向かって見合い写真を投げつけた

「景なんて嫌いよ」

スイレンの目が充血すると、布団の中に潜ってしまった

「ちょ…おいって」

「見合いして、その可愛い子と結婚しちゃうんでしょ」

「しねえよ」

「だって見合いってそういうものでしょ」

「興味ねえって、見合いなんか」

スイレンが布団の中で身体を小さく丸めたのがわかった

俺は布団の上からぎゅっと、スイレンを抱きしめる

「なあ…スイレンてばっ」

「嫌い!」