Call My Name

実家の敷地に兄貴の車が入ると、家の門構えからは想像できねえような『洋』テイストのワンピースを着た女性が飛び出してきた

今度はここはハワイか?と言いたくなるような派手なシャツを着ている男共が、ワンピースを着ている女性を追いかけている

「香ちゃん、景ちゃん…おかえり」

車の真横に立った母が、俺たちに笑みを送った

「いや…『おかえり』って言うべきなのは、俺らじゃねえの?」

俺は車中の中でぼそっと呟いた

「まあまあ」

兄貴が苦笑した

久しぶりに見た母は、相変わらずだ

相変わらずすぎて、頭がクラクラする…というか、目がちかちかする

「おふくろ…いつ、戻ってきたんだよ」

俺は車から降りると、母親に聞いた

母は、にっこりと可愛らしい笑みを見せると、俺の腕に絡みついた

「景ちゃんが家出したって聞いて、すぐによ」

「はあ? もう家を出てから9カ月も過ぎてるんだけど」

「まあまあ、いいじゃない」

いいのかよ…?

いいのか? これで…

「香ちゃんがお見合いするっていうから、母親が不在っていうのは良くないと思って」

…んだよ

俺の家出で帰ってきたわけじゃねえじゃんかよ

思い切り兄貴の見合いじゃねえかよっ

…つうことは、今日かよっ

今日、戻って来たのかよ