Call My Name

たくっ…緩みきった顔をしやがって

いいんじゃねえの

兄貴らしい、幸せの感じ方で、羨ましいよ

俺は肘をつくと、窓の外に目をやった

通り過ぎていく風景を、じっと眺めた

「景は、どうするの?」

「あ?」

「バレンタイン」

「俺は女か?」

バレンタインをどうするって聞かれて、答えられる男がいるかっつうの!

バレンタインだからって、誰かから絶対に貰わないといけないのかよ

ああ、今は逆チョコっつのもあるし、友チョコっつうのもあるから…女が男にチョコをあげるっていう少し前までの暗黙のルールみたいなのは崩れてるけど

だからって…やっぱ男は女から貰いたいよな

期待してるわけじゃねえけど…さ

「スイレンちゃんと会ってないの?」

「は? なんでスイレンなんだよ」

「ツバキが凄く気にしてる。もしかして、自分が二人の仲を壊したんじゃないかって」

「ふん…ツバキは関係ねえだろ」

「でも、付き合うな…とかって言ってたんでしょ? スイレンちゃんの強く深い気持ちに、ツバキは胸を痛めているんだ」

俺は自然と口が緩むのがわかった

喉を鳴らすと、俺は頬を緊張させて、無表情を無理やり作る

嬉しいことをすぐに顔に、出してしまうのは…兄貴も俺も一緒らしい