Call My Name

にこにこと緩みっぱなしの顔の筋肉のまま、兄貴は実家に向けて車を走らせた

気持ち悪ぃなあ

俺はコツンと窓にこめかみをつけると、兄貴の横顔を見つめた

端正な顔してるよなあ

もっとシャキっとした表情にすりゃあ…クールな2枚目って感じなのに

目尻をさげて、ニヤニヤしてたら…ただのエロオヤジじゃねえかよ

「なんか、良いことでもあったのかよ」

俺の質問に、兄貴の口の端がクイッと持ち上がった

さらにだらしない顔になると、いきなり鼻歌を歌いだしそうなくらいの明るいオーラを放ってきた

うぜえ…この幸せオーラが、クドい

「聞いてくれる?」

「聞いてほしいんだろっ」

「まあね。嬉しくてさぁ」

「…だろうな」

「わかる?」

「緩みっぱなしなんだよ、顔が」

「それは景に久しぶりに会えたから」

「違うだろ。その顔はどう見ても、ツバキと良いことがあった顔だ」

兄貴が凄く嬉しそうな顔をして、首の後ろを掻いていた