短編集 cafe an

「失礼いたします。
お待たせいたしました。
カプチーノでございます。」



二人の前に
カップの乗った
ソーサーを差し出す


少し泡が消えかけ
ゆがんでしまった
リーフ


「…なんか
いつもと違うわ…。

それに
もう冷めきってるじゃない。」


谷原さんが私を見る



私はにっこりほほ笑んだ



「お二人はカプチーノがどうして
すぐに冷めてしまうのかをご存知ですか?」



私の言葉に
二人は首をかしげた