短編集 cafe an

エスプレッソ豆を挽いて

プッシングして
エスプレッソマシーンにセットし
エスプレッソを抽出する


ミルクを
泡だてて
温めて


エスプレッソの入ったカップに注ぐ


ゆっくり
ゆっくり


描き上げたのは
リーフマーク


谷原さんがいつも注文してくれた
カプチーノ



泡が消えないうちに

ソーサを運んだ



テーブルに近づいた瞬間



「いいかげんにしろっ!」


男の人の怒鳴り声が
小さな店内に
響いた