放課後、ジャージ姿の成海くんが私に声をかけてきた。

ずっと

ずっと



会いたかった成海くんが、



今、目の前に…




「今日、部活早く終わるから……って、美音今日泣いてたけど、なんかあった?なんでも言えよ?」




成海くんの声




そうだ…

成海くんはいつも

『なんかあったら言えよ』って言ってくれた。

でもいつも私は『大丈夫』しか言わないで、

自分の気持ちを伝えなかった。



でも今の私は違う。


後悔ばかりの未来に戻りたくない。

時間が1年間しかない。

やるだけのことはやらなくちゃ。





「成海くん!」





「ん?」






「今日、話したいことがあるの。帰る時、聞いてほしいの!」



成海くんは驚いた顔をしていた。


「わ、わかった。じゃ…あとでな…」


「うん」