「え…………」 成海くんの事は、かっこいい人だなとは思っていたけど、 自分とは遠い別世界の人のように感じていた。 そんな成海くんが、私に話しかけてきたから びっくりし過ぎて声が出なかった。 近くで見る成海くんは、背の高さをすごく感じた。 私が小さいせいもあるけど。 「俺、指揮者なんだ。よろしく」 成海くんは、まるで女の子のような笑顔だった。 私は、さっきピアノを弾いた時よりも心臓がドキドキした。