「成海くん、受験の日まで、学校以外で会うのやめよう」



成海くんは、驚いていた。


「どうした?美音。なんかあったのか?」



「私、成海くんにK高校受かってほしいし、私も志望校に受かりたい。

学校以外で会うのを受験の日まで我慢して、頑張って勉強して、絶対合格しよ。

合格したら、春休みたくさん会おうよ」




成海くんは少し考えていた。


「美音はそれでいいのか?」



「うん」



成海くんは深いため息をついた。



「わかった。お互い、合格するために頑張ろうな」



成海くんは立ち上がって机の上に置いてある、グランドピアノのオルゴールのフタをあけた。



「それ…せっかくもらったのに、壊れちゃったの。ごめんね…」


成海くんはフタをしめた。



「そうか…



俺、今日帰るな」





成海くんは部屋から出て行った。







私は成海くんを、追いかけた。



玄関で成海くんは振り返った。



「俺は、美音と結婚する夢も叶えたい。

医者になることも。

俺は絶対に両方叶えてみせるよ」




成海くんは玄関のドアをしめた。



成海くんの言葉を聞いて


私は、決心がついた。